看護師が良い転職先に出会うあるポイント

看護師の転職には、新たな挑戦や新たな環境でスキルアップをするために行う前向きな転職もあれば、給料・拘束時間などの待遇面の不満、職場の人間関係の解消のためにする転職もあります。どちらも人生においての大事な決断である事には違いはありません。
しかし、転職した看護師さんすべてが成功をしているわけではありません。転職先の選択肢が豊富にあがるために、逆に自分に合った転職先を見つけるのが難しくなっているからです。
ここでは看護師の転職についておかれている現状と転職を考える際に押さえて欲しい6つのポイント、人材紹介サービスについてご紹介します。
 

いつの時代も売り手市場

下の「看護職員就業者数」より、看護師の需要は年々増えている事が分かります。
また、「職業別有効求人倍率」によると2022年の一般職業の正社員有効求人倍率は、全国平均で1.19倍程度ですが、看護師の求人倍率についてみると、2.20倍となり他の職業に比べ大幅に高くなっています。年を追ってみても常に一般業種より高く売り手市場であるといえますね。このような環境下にあって、看護師の転職は一見有利かと思われがちですが、看護師として働けるならどんな職場でもいいわけではありません。自分のキャリア、ライフスタルに合った職場を見つける事の難しさはどの職種も同じです。

【看護職員の需要推計と有効求人倍率】

厚生労働省 看護師等(看護職員)の確保を巡る状況より転載

 

転職を成功させるための6つのポイント

さて、実際に転職したいと思った時、何からはじめればいいのでしょうか。
しっかりとポイントをおさえ理想の転職を叶えましょう。

1. 自分の目標を明確にする
転職を検討する前に、なぜ転職をしたいのか、どのような経験やスキルを得たいのか、職場の環境や雰囲気に何を求めているのかなど自分の気持ちを明確にしましょう。これが転職先を選ぶ際の基準となりますので頭の中で考えるだけではなくノートやスマートホンのメモなどに一度書き出してみることをお勧めします。

2. スキルと資格の整理
自分の看護スキルや資格を整理し、どの分野での経験が豊富なのか、今後どのスキルを強化していきたいのかを明確にしましょう。
それに基づいて自分がどの分野や職種に適しているのかをしっかりと把握しましよう。

3. 看護師専門の転職サイトに登録する
もちろんハローワークでも仕事を探すことが出来ますが、情報量が圧倒的に多い看護師専門の転職サイトを活用することがお勧めです。名前、アドレスなど個人情報を登録して初めて使えるものから、登録しなくても求人の閲覧が自由にできるものまで色々ありますが、最大のメリットは看護師の転職に熟知した専門のキャリアアドバイザーのサポートを受ける事ができる事です。

4. 職場の雰囲気や働く環境を確認する
ちょっと面倒かもしれませんが気になる職場があったら実際の雰囲気や働く環境が本当に自分に合っているかどうかを確認するためにも職場見学をすることをお勧めします。
実際に働いているスタッフの表情や対応、トイレや待合室など院内の衛生管理、施設の整備状況などを確認することにより転職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

5. 求人情報に記載されていない情報も探る
転職先の病院やクリニックなどの評判や患者満足度など求人情報以外の情報も調査しましょう。実際に働いているスタッフに聞ければ一番ですが、それが出来ない場合、口コミも参考にしてもよいでしょう。具体的で詳細な情報が含まれている口コミは、一般的な評価よりも信頼性が高いことがありますが、口コミを判断する際には、口コミの情報源が信頼性のあるものかどうかを確認しましょう。

6. 面接の準備
転職先での面接に向けて、自分の強みやキャリア目標、なぜそこで働きたいのかを具体的に説明できるように準備しておきましょう。面接は採用する側とされる側が対等な場です。
給与、勤務条件、福利厚生など、契約条件を再確認できる大事な場でもあります。妥協することのないようしっかりとした意思を持って臨むことが大切です。

転職は自分のキャリアにおいて重要な決断ですので、十分な検討と準備を行うことが理想の転職につながります。
 

人材紹介会社を利用するメリット

転職活動をする際に気になるのが人材紹介サイト。
病院が人材確保する時、人材紹介会社を利用すると病院側は紹介料を払わなければなりません。ですから人材紹介会社を利用している病院(事業所)は少ないイメージですが、看護師の人材確保が難しい中、全日本病院協会における2020年の調査で、2大都市圏(87施設)では79.3%の病院が人材紹介会社を利用していることが分かりました。看護師だけでなく、医師、介護士の人材確保にも6割以上の病院で人材紹介会社が使われています。また、実際に紹介会社経由で採用された看護師の数も30%以上になります。
(※2大都市圏=(東京・神奈川・埼玉+大阪・京都・兵庫・奈良))
今は通常の転職手段として利用される人材紹介会社からの転職。どんなメリットがあるのでしょうか。

情報量が豊富である
人材紹介会社では、求職者のサポートと並行して就業場所の新規開拓にも力を入れています。そのため求人サイトや病院(事業所)のHPには掲載されていない最新の非公開の求人も豊富にあります。

キャリアコンサルティングをしてくれる
求職者の要望、将来像を明確にするためにキャリアアドバイスやコンサルティングを提供します。今までの経歴やスキルを踏まえて、最適な転職先を見つけるサポートをします。

効率的に転職活動ができる
地域や職種、勤務形態など細かい条件での検索がしやすく、また条件を登録しておけばキャリアアドバイザーが条件に合った仕事を紹介してくれます。求人票には載っていない事業所の給料の実情や残業の有無、働いている人たちの人柄など紹介先の細かな情報まで収集してご提案しているのでミスマッチを減らすことができます。
 

求人先との煩雑な交渉を代行してくれる
職場同行見学、履歴書の添削から面接の予約・同行、自分ではなかなか言いにくい条件交渉までキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。

その他にも人材紹介会社によっては入職までの短期間に単発のお仕事を紹介してくれる会社や、入職後も継続的にフォローをしてくれる会社など様々なサービスがあります。

人材紹介会社を利用するという事は「転職を成功させるための6つのポイト」をフォローしてくれる強い味方ができるという事になります。
 

まとめ

転職は看護師でなくても不安でいっぱいになるものです。
いくら売り手市場といってもミスマッチの転職をしてしまうと結果として早期退職を繰り返してキャリアに傷をつけてしまう事に繋がります。
この記事では、看護師が転職を成功させるためのポイントと人材紹介サービスについてお話させていただきました。自力で転職活動をするより人材紹介サービスを利用した方が簡単に自分に合った仕事が見つかるかもしれませんが、デメリットとして人材紹介に予算をとれない職場には出会えない、また自分の意思、転職に求める条件を明確に持っておかないと情報に流され、本来の希望を見失ってしまう可能性があります。キャリアアドバイザーの質も様々です。キャリアアドバイザーの腕一つであなたの転職が左右されることがあるかもしれません。あなたが信頼できるいいキャリアアドバイザーを見つけるためにも1社ではなく2~3社登録することをお勧めします。

あなたに合った転職先を見つけるために、この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。

<参考>
・厚生労働省 看護師等(看護職員)の確保を巡る状況より転載
・全日本病院協会 雇用における人材紹介会社に関するアンケート(2020年10月1日)

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